ちょっと空気が読めない、わけありご遺体の引受人「アイ・アム まきもと」観てきました
Contents
内容紹介
世の中にはわけありの「ご遺体」というものが存在します。
その多くは「身寄りがいない」「身寄りがいても絶縁状態にある」といった状況です。
介護のことを調べていると、ときどき孤独死の記事が目にとまります。
かつて、「わたしの両親もいつかはそうなるのでは?」と恐々としていたことを思い出します。(現在は施設に入ることができて安全に暮らしています)
そんな重くて暗いテーマを「お葬式エンターテイメント」として明るく描いています。
この映画を観て考え方を少し変えました。それは、
葬式をやる意味とは?
自分の両親の最後はどのように見送りたいか?
それを嫌な気持ちではなく、明るく前向きな気持ちで変えさせてくれた映画です。
映画「アイ・アム まきもと」公式ホームページ
https://www.iammakimoto.jp/
見どころ
どんな人でも死を悲しむ人がいる
この映画に登場するご遺体は皆わけありです。
子供から縁を切られた人
お店に多くのツケを残して亡くなった人
そんなご遺体は「そちらで処分してください」と言わんばかりに、家族、警察、行政をたらい回しにされます。
そんなご遺体を一手に引き受ける、とある市役所の「おみおくり係」。それが阿部サダヲさんが演じる「まきもとさん」です。
まきもとさんは、いつものようにあるご遺体を引き受けます。そのご遺体は妻と娘を捨てたカブラギという男。過去に出会った人とはトラブルが絶えず、路上生活をしていた過去もあります。
いわゆる「亡くなっても泣く人などいない」という男です。
まきもとさんは、そんなご遺体でも1人でも多くの人に葬儀に参列してもらおうと奔走します。
過去の職場の人々、同棲していた女性、路上生活仲間など、ありとあらゆる手がかりに身寄りの所在を聞いて回ります。そしてついに、実の娘にたどり着くことができます。
はじめは、カブラギの悪い話しか聞くことができませんでした。
「あいつはとんでもない奴だった」
「わたしは父を許しません」
しかし、そんなカブラギに命を救われたという人が現れます。
そしてその死を悲しみ、手を合わせようとする人が現れ出します。
人は1人で生きることはできません。その過程で多くの人に関わりを持ちます。「どんでもない人」と思っている人でも、自分とは違う角度の出会いでは好意的な人なのかもしれません。
そう思うと、「わけありのわたしの両親」のお見送り方。このままで良いのかな?と考えてしまいました。
空気が読めない「まきもとさん」
おじさんとは往々にして「空気の読めない」生き物です。
人の話を聞かない
自分のルールは絶対曲げない
なかなか心を開かない
周囲からは何かと迷惑がられる「まきもとさん」。他人とは思えません。
そんな空気の読めないおじさんも、純粋な心で何かを動かすことができる。
そんな勇気をもらいつつ、少し周囲に気を配りながら自分らしく生きていこうと思いました。
原作映画も観てみよう
この映画には原作があります。
ヴェネチア国際映画祭で受賞した作品です。
Amazonプライムで見ることができます。
映画「おみおくりの作法」公式ホームページ
https://www.bitters.co.jp/omiokuri/
まとめ
人の死、お葬式、孤独死という重いテーマを、明るく受け止めることができる映画です。
少し残念だった点は終盤の「まきもとさん」の扱いが少々雑に感じたこと。
それ以外は物語のテンポも良く、非常に楽しめる映画でした。
「迷惑系ヒューマンストーリー」と謳うこの作品。いつかは家族の死と向き合わなばいけません。それを考えさせられるとともに心が温まる映画です。
リンク集
この映画の監督「水田伸生さん」と「阿部サダヲさん」の映画作品です。