大胆な挑戦「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」
ゴールデンウィークの映画ですが、今更ながら見てきました。
今回の劇場版ドラゴンボールは、かなり挑戦した映画作りだったと思います。それは大胆な主役の交代。「ドラゴンボール」といえば日本を代表する人気アニメ。「ドラえもん」や「ジブリ」と肩を並べると言っても過言ではないほどの作品で、世界中の人に愛されています。その劇場版の主役を変えることが、どれほど興行的にリスクのある選択だったか想像に難くないと思います。
映画の興行的失敗は続編にも大きく影響します。しかも今はコロナ禍の真っ只中。ただでさえ集客が減っている映画業界は「失敗のないモノづくり」が求められています。その中であえての主人公の交代は、製作陣の勇気に敬意を表したくなります。
内容としては賛否分かれると思いますが、個人的には賛。良い意味でドラゴンボールの型を破りつつ、しっかりと鳥山ワールドの原点回帰もできた作品だったと思います。
それではネタバレに気をつけながら、見どころをお話ししていきます。
映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」公式予告動画 東映映画チャンネル
https://youtu.be/48qpf4H8ZO4
Contents
見どころ
悟飯とピッコロさんがストーリーの中心です。昨今のドラゴンボールでは、敵の強さがどんどんインフレしていき、戦線を離脱してしまった感が否めない2人。今回はそんな2人が大きくパワーアップをします。
連載当時からドラゴンボールを愛するわたしとしては、2人の活躍を観れるというだけで感涙ものです。特に昔の劇場版は「悟飯のピンチにピッコロさんが駆けつける」というのが鉄板の演出となっていました。2人は悟空との親子関係以上に強い絆で結ばれています。今作はそんな師弟愛がふんだんに盛り込まれた作品となっています。
また「鳥山ワールド」が要所に盛り込まれており、バトルアニメでもありつつ、子供も楽しめるギャグ要素もあります。鳥山先生はもともとギャグ漫画が好きで、もっとギャグを描きたいとも語っています。「初期のドラゴンボール」「Dr.スランプ アラレちゃん」を彷彿とさせる演出が見られます。
ラストバトルはかなり想像を上回る演出でした。これは悟飯とピッコロさんにしかできない演出でしょう。
サブタイトルの「スーパーヒーロー」も、初めはなんとなく安っぽいなと感じていました。しかし、そこもしっかり回収されておりお見事の一言です。予告段階では敵もいまいち強そうに感じなかったのですが、強い敵を作らなくてもしっかり戦いを描けるという良い証明になった作品だと思います。
ピッコロ愛
ドラゴンボールで1番好きなキャラは?と聞かれたら、間違いなくこう答えるでしょう。
「緑のカリスマ ピッコロさん」
それほどピッコロさんが好きです。強くて優しい。そして「俺は魔族だ」と言い張り、自らいい人否定をしてしまうピッコロさん。そんな彼は、戦うほど強くなるという「サイヤ人」が登場して以来、サポート要因としての役割を全うしていきます。地球の神と融合することで良識も身につけ、破天荒なキャラが多いドラゴンボールの世界で、最も常識的なキャラとして存在し続けるようになります。
ピッコロさんの常識人を語る上で欠かせないエピソード。それは「潜在的には1番強い悟飯」を敵と戦わせようとする悟空を制止するシーンです。ピッコロさんは悟空にこう言います。
「その作戦 御飯は知っているのか…ちゃんと話し合ったのか?」
「今 御飯が何を思ってるかわかるか…」
「俺は殺されてもいい…悟飯を助けに行く」
最近は家族思いのベジータに人気を奪われていましたが、今作は強くて悟飯思いのピッコロさんが大活躍します。ピッコロさん、上司にしたいです。