「好きに勝るものなし!」でギョざいます。原作も大人気の映画「さかなのこ」観てきました

本日公開の映画「さかなのこ」。さかなクンの半生を描いた映画です。

予告の段階から「これは絶対に観ねば!」と決心していた映画。公開日が映画割引の日と重なるという幸せを噛み締めながら観てきました。

そんな本作の魅力を3つに絞ってご紹介します。

Contents

見どころ

好きなことを追い続け自分も周囲も幸せにする。

さかなクンはこれを体現したような半生です。

「こう生きよう!」と思っても、これがフィクション映画であれば「現実は映画のように甘くない」と一蹴されてしまいます。仮に魚が好きで一日中夢中になっている子供がいたら、親や先生は一生懸命に軌道修正させようとするでしょう。

しかし、このお話は実際にさかなクンという夢を掴んだ人がモデルです。

多少映画向けに表現されていることを加味しても、魚好きが魚を仕事にしているという事実。そしてそれがちょっと詳しい趣味レベルではなく、多くの国民に知られる魚の第一人者となることができています。これには非常に勇気づけられます。

劇中は若かりしさかなクンが魚に関わる仕事に就いてみるも、何かイメージと違うと悩むシーンがあります。あまりにマイペースで魚に夢中になりすぎるさかなクンは、一般的な社会のレールから外れていってしまいます。いわゆる普通の人では無くなってしまいます。仕事に就いては「向いていないんじゃない?」と言われる始末。その辺りがしっかり描かれていることで、夢を追う人のリアリティーがグッと増しています。

本作は一貫して「温かい表現」に満ち溢れています。決して人を陥れる。弱者が不幸の底まで落とされる。そのような描写は出てきません。学生時代の回想シーンに不良に絡まれるシーンが出てきますが、そこも一貫して温かい話です。

穿った見方をすれば綺麗事を並べた作品として見えてしまいますが、そこはさかなクンの人柄で許してしまう自分がいました。

苦労しながら夢を追い、歯を食いしばって諦めない。という類のお話ではなく、夢を追い悩みながらも今を楽しく生きる。普通でなくても良いじゃないか?人と違っていけないの?

そんなメッセージが込められているように思います。

さかなクンとは?

わたし実はさかなクンの大ファンです。知れば知るほどカッコいいい方です。そんな彼の魅力を少しご紹介します。

魚大好き少年は小学校の文集にこう書いていました。

「水産大学の先生になる」

子供の頃の夢を大人になって叶える人はごく僅かのように思います。多くの人は現実を知り普通に生きていくために、そして普通から外れてしまわないように良い意味で軌道修正をかけていきます。

さかなクンはその追い続けた夢を、とても高いレベルで叶えています。しかも魚博士になるために受験勉強を頑張るといったアプローチではなく、ひたすら魚に時間を費やし掴み取りました。

現在のさかなクンの経歴をざっくり紹介すると
東京海洋大学名誉博士
東京海洋大学客員教授
外務省、農林水産省、環境省などの公的なお仕事
日本ユネスコ国内委員会広報大使

などなど。これはほんの一部に過ぎません。

しかも中学生の頃に国内で初めて、カブトガニの孵化を成功させるという偉業を果たしています。そして高校生の頃に「TVチャンピオン」という素人が専門性で競い合う番組に出演し、その才能と魅力が全国区となります。

しかしすぐに夢を掴めたわけではなく、ペットショップの住み込み店長をやったり、アルバイトを転々とする生活を余儀なくされます。その辺りは映画でもしっかり描かれています。

ところでさかなクン。吹奏楽部に所属していた事があり楽器の演奏もかなりの腕前です。何でも入部の動機は「水槽部」と勘違いしたからだとか。そこからしっかり演奏を習得してしまうところに、彼の真面目さや探究心が垣間見れます。

原作本に込められた「好きに勝るものなし」

さかなクンの著者「さかなクンの一魚一会〜まいにち夢中な人生!〜」で前書きに書かれているメッセージです。この映画のテーマでもあります。

彼は好きすぎる魚を追求するあまり、周囲からは異端の目で見られてしまうこともあります。

しかしそんな周囲の好奇の視線などどこ吹く風で「普通ってなに?」というスタンスを崩しません。それは大人になってからも同じでした。

逆に普通に生きようとする周囲の人たちこそ、生きづらさを感じているようでした。人生は普通に生きようとしてもどうなるか分からないものです。しかも普通という価値観は不変ではありません。昔の普通で言えば、いい大学に入りいい企業に就職する。そうすれば終身の雇用が保障され、その後は潤沢な年金で暮らしていける。そんな普通はもう無くなってしまいました。そして作中の同級生たちは子供の頃馬鹿にしていたさかなクンに癒されていくのです。

この映画は「好きなことを追求せよ!」といった押し付けがましいメッセージはありません。また少数派が多数派に戦いを挑むような構図でもありません。

ただ純粋さと優しさが溢れる映画です。

初めはさかなクンを、性別の違うのんさんが演じる事に不安を感じていました。正直大丈夫?と思っていました。変に原作をいじり過ぎて商業的映画になって欲しくなかったのです。しかしそこは無用な心配でした。

のんさん起用の勝因は
①のんさんの圧倒的演技力
②あえて女性を起用したこと

①はその素晴らしい演技力でしっかりとさかなクンの優しさや純粋さ、魚に対する好奇心が違和感なく演じられていました。流石のんさんとしか言いようがありません。
②はともすれば夢追い人の痛い男性になってしまう部分を中和したり、さかなクンの中性的な優しいキャラクターを表現するには、女優さんが適しているように感じました。

原作本はさかなクンが語りかけてくるような面白さがあります。ぜひ手に取ってみてください。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です