認知症を正しく理解しよう① 9月は世界アルツハイマー月間です

9月21日は「世界アルツハイマーデー」です。

「世界アルツハイマーデー」とは、国際アルツハイマー病協会が取り組んでいるアルツハイマー病の啓蒙活動です。

アルツハイマー病の理解を深めるため、全国の自治体でイベントが開催されています。わたしも地域のイベントに参加してきました。

わたしの父はアルツハイマー型認知症です。そして母方の祖父も同じ病気でした。

そしてわたし自身も記憶障害に悩まされた時期があります。

アルツハイマー病はその原因はまだ解明されていません。そして遺伝性があることがわかってきています。

両親のどちらかが家族性アルツハイマー病であると、その子供は50%の確率でアルツハイマー型認知症になると考えられているそうです。

わたしは両親それぞれの家系にアルツハイマー病歴があるので、発症の可能性は高いと言えます。

決して他人事ではないアルツハイマー病。自身のためでなく、関わる人のためにも、その理解を深め予防や啓蒙に努めていこうと考えています。

話を戻すと、今回のイベントに参加して気づいたことがあります。

それは「認知症」は置かれている立場によって、その受け取り方が違うということです。

当事者、介護者、介護者の家族

それぞれの立場によって認知症の印象は異なり、それによりミスコミュケーションをを発生させてしまうことがあります。

結果、介護そのものを困難なものにしてしまうケースがあります。

今回は、その気づきを共有していきます。

具体的なイベント内容は、別記事として取り扱っていく予定です。

「世界アルツハイマーデー」公益社団法人 認知症の人と家族の会
https://www.alzheimer.or.jp/?page_id=155

Contents

アルツハイマー病とは

歴史

今はだいぶ認知されてきた病気に思えます。

わたしが初めて耳にしたのは高校生の頃。アメリカのレーガン元大統領が、自身のアルツハイマー病を公表したニュースでその存在を知りました。より多くの人にアルツハイマー病を知ってもらうために公表したのだそうです。

これにより、アルツハイマー病の認知は一気に世界中に広がりました。

それまでは脳の病気はあまり理解されておらず、「頭がおかしくなった」「ボケ」といった言葉で片付けられることもありました。

そして2004年には厚生労働省は「痴呆」という言葉を「認知症」と変えました。

辞書で「痴呆」の漢字を調べるとこう書いてあります。

「痴」…頭の働きがにぶい。思慮分別が足りない。ぬけている。おろか。
「呆」…愚か。ばか。

このような蔑称とも言える言葉が、一般用語、行政用語として長年使われてきました。

つまり、認知症は恥ずべき病気だったという歴史があります。

症状

アルツハイマー病は脳が機能低下する病気です。

具体的にいうと記憶力が著しく低下していきます。認知症の多くはこの「アルツハイマー型認知症」です。

わたしの父の例を挙げ、具体的な症状を説明します。

①同じものを何度も買いに行く
②他人から言われたことを忘れる
③口座の暗証番号を忘れる
④感情のコントロールが効かなくなる

などがありました。

その結果、どのようなことが起きるか?上記の例の結果で言うと、

①同じものを大量に買いお金がなくなる
②他人が自分を騙していると思い込む
③口座からお金がおろせなくなる
④近所トラブルが増える

このように記憶力の低下は日常生活に支障をきたします。

そして、徐々に進行していくこの病気は本人とその家族の心と体を、確実に蝕んでいくのです。

正しい理解と対処が必要になってきます。

イベントでの気づき

わたしは「介護者」という立場です。今までは、介護者の視点でしか認知症のことを見ていませんでした。

イベントに参加してハッとすることが2つあったのでご紹介します。

①当事者と介護者では受け取り方が違う

結論からいうと、わたしの場合は当事者の心そっちのけで考えがちだったと思います。

そして世の中の多くの認知症の施策が「介護者中心」なのだそうです。

認知症を発症したからといって心までなくなるわけではありません。

不安、怒り、悲しみ、嬉しさ。こういった感情は認知症患者にもあります。こういった気持ちを理解しながら接することは重要に思えます。

以下は一例ですが、それぞれの心理と行動、状況を表してみました。

心理行動や状況
当事者認知症になったことへの不安
記憶障害に対しての不安
早く日常に戻りたいという焦り
周囲とコミュニケーションが取れず苛立ち
理解してくれない家族に悲しみ、怒り
自暴自棄になる
気を紛らわそうと酒やギャンブルに走る
通院拒否
介護拒否
他社への暴言、攻撃
記憶障害からくる金銭の使い込み
介護者変わってしまった両親への不安、悲しみ、怒り
いつ終わるかわからない介護に不安、悲しみ、焦燥
介護を続ける上での金銭的不安
当事者の暴言、攻撃に対しての恐怖
厄介な状況になってしまったという気持ち
介護をめぐり家族、親族と険悪になる
ストレスから当事者に虐待、もしくは介護放棄
ストレスからうつに
介護費用負担で貧困に

特に陥りがちなのは以下のような状況です。

当事者「なぜ自分を理解してくれない⁈」
介護者「なぜこんな困らせることばかりを⁈」

介護者自身も生活や仕事があります。その中で行う介護はギリギリの状況かもしれません。その中で相手の気持ちを汲むことは簡単ではないと思います。

わたしのケースでお話しすると、両親は金銭や物品の要求をしてきます。それは入院後も変わりません。

正直、これには腹が立っています。もう両親にかかる介護費用で、そんなお金の余裕がないからです。それを説明しても要求は一向に減らないので余計に腹が立つのです。

しかし、腹を立てて対応することはやめました。

経験からそれは逆効果だとわかったからです。ただ関係をこじらせるだけでした。今は困らせるような要求をしながら「自分のことを忘れないでほしい」と訴えかけているような気がしています。

ひょっとしたら、わたしの名前や昔の思い出も、徐々に消えかかっているのかもしれません。

困らせるような行動の裏に「寂しさ」「苦しさ」が隠れていると思いながら接するようにしています。

余談ですが、怒りの気持ちは我慢せず一旦は自分の中で出して消化するようにしています。そして、両親や家族にぶつけるようなことはしないと決めました。

わたし消化の仕方は園芸とゲームです。

ハロウィン風寄せ植え、ホラー映画「ハロウィン」も大好き

植物が育つ様子に癒されつつ、ホラー映画好きなので、ホラーゲームの世界でストレスを発散させています。

②実は支援団体がいろいろあった

わたしは、介護の初期対応は完全に手探り状態でした。支援団単体の存在すら知りませんでした。

イベントに参加したことで、様々な支援団体があることを知りました。

介護の悩みは1人で抱えてはいけません。相談することで意外な解決の糸口が見つかったりします。

また、同じような立場の人と話すことで勇気がもらえたりもします。

そんな全国にある支援団体をご紹介します。

地域包括支援センター(介護関連のなんでも相談所です。わたしもここから始めました。)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/chiiki-houkatsu/

公益社団法人 認知症の人と家族の会(認知症当事者や介護者のつどいが開催されています)
ホームページも見やすく介護情報を調べるのに適しています
https://www.alzheimer.or.jp/

認知症を持つ人のためのサイト エイト(認知症当事者が自分らしい暮らしを続けるためのヒントがあります)
https://8eight.org/

認知症カフェ(認知症当事者や家族の交流の場です。孤立化を防ぐ目的があります)
https://www.cocofump.co.jp/articles/kaigo/24/ 学研より

西日本新聞より

福岡県では全国でも珍しい「飲酒OK」の認知症カフェが開催されています。お酒が潤滑油となりコミュニケーションが円滑になるのだそうです。お酒好きが多い福岡らしい活動ですね。

「うつ病の男性が明るく…飲酒OKの認知症カフェ 福岡・大牟田市」西日本新聞
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/684201/

③アルツハイマーは高齢者だけではない

アルツハイマー病は高齢者に限った病気ではありません。

前述しましたが、わたしは記憶が上手くできずに悩んでいた時期があります。

病院で診断も受けましたが、若年性アルツハイマーの診断はおりませんでした。

しかし、就業していると上手く記憶できないことにはとても困りました。具体的にいうとミスが異常なレベルで増えるのです。そして仕事の信頼を失っていきます。「いい加減な人」というレッテルが貼られていきます。

ですが、しっかり対策はできます。そして、現在は回復する可能性があることもわかってきています。

この内容は、またの機会にご紹介したいと思います。

まとめ

かなりのボリュームになってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございます、

今回の内容をまとめます。

認知症を正しい理解し、当事者の心を理解しよう
正しい理解がないと支援困難な状況にもなりかねない
支援団体は全国にあるので、1人で抱え込まない

アルツハイマー病は他人事ではありません。誰もが発症する可能性があります。

風邪、骨折などは「なぜかかり、どう治療するか」という対処法が知られています。だから誰でも対処できますし、必要以上に不安になることもありません。

認知症も同じように理解され、当事者も介護者も疲弊せずに、自分らしく暮らしていける世界になることを望みます。

このブログがその一助になれれば嬉しいです。

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リンク集

「成年後見はやわかり」 厚生労働省
https://guardianship.mhlw.go.jp/


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