認知症を持つ父の入院記① 〜父が認知症と診断される前の様子〜
父の様子がおかしい。
以前から、なんとなくそう感じていました。
それが思い過ごしでは済まされない事件が2021年の冬に発生しました。
今回は認知症と診断される前に起きていた「父の異変」についてご紹介したいと思います。
それにより認知症の早期発見、初期対応が適切に行われればと思います。
Contents
「元々の性格」と「認知症」の判別が難しい
認知症の初期対応で難しいと感じたところはこの点です。
認知症と言っても様々な症状があるのですが、私の父のケースで言えば「もともと持っているネガティブな要素が肥大する」といった印象でした。
具体的に言うと以下の事例がありました。
①もともと荒かった気性がさらに荒くなる
②金遣いの荒さに拍車がかかる
③好きなお酒を昼から飲むようになる
④頑固な性格がより頑なになる
認知症で人が変わったようになるならともかく、もともと持っていた性格・性質が大きくなっていくと、認知症とは思わず「これは元々の性格なのかな?」と思ってしまいます。
お金がないのにギャンブルに行く。昼から酒を飲む。といった行動も、冷静に考えれば判断力が衰えてきているとも思えますが、父の過去の生き方や性格を考慮すると「あり得る話」として妙に納得してしまう自分がいました。
その後、父の判断力が明らかにおかしいと思う事件がありました。
それは在宅介護をしていた母が、自宅で転倒し骨折してしまったときのことです。
母は自分で歩くこともできずトイレにも行けず、ベットでひたすらお漏らしをしていました。そんな状態にも関わらず、父は食事も与えず1週間放置していたのです。
たまたま巡回に来ていたヘルパーさんが発見し「これは一大事」と救急車を手配してくれたのです。
父はこの救急車を呼ぶという行為に対しても「大丈夫だから呼ばなくて良い!」と言っていたそうです。
そこから父との同居が始まったのですが、それはまさに異常とも言える言動の日々でした。
○スーパーでセルフレジをうまく使えず店員さんを怒鳴り散らす
○同じ食材を大量に買い込む
○「年金受給まであと3日で金が足りないから10万くれ」と高額の金銭を要求する
これはなんとかしないと、本人の安全だけでなく他者への危害にも関わると強く感じました。
認知症は放っておくと危ない
もはや性格の問題では済まされない状況と判断し、なんとか父を検査させ治療や入院させなばばらないと決意しました。
このあたりのエピソードは「親を精神科に連れて行く方法」でご紹介しています。
認知症を放っておく危険性には3つの理由があります。
①判断力の低下から生活上の危険が増える(火の始末、行方不明、腐った食べ物を食べるなど)
②自身の資産が必要以上に減る(使い込み、紛失、詐欺に遭いやすくなる)
③他者へ危害を加える恐れがある(生活不安からの八つ当たり、逆恨み、もの盗られ妄想、記憶障害からのミスコミュニケーション)
どれも今後の生活基盤を失いかねない問題に発展するリスクを秘めています。
認知症の問題は親子だけで解決できる問題ではありません。
「地域包括センター」「行政の市民課」「医療関係」など様々なところに相談すれば、解決の糸口が必ず見つかります。
子供から認知症の指摘をされると「馬鹿にされた」と怒り出す親もいらっしゃるかと思います。
しかし、子供からの心配の声すら耳に入らない状態こそ、判断力の低下を表しているのかもしれません。
親の「何かおかしい?」は放っておかず、公的機関に相談してみてください。