「成年後見人制度」が実際に始まった感想
「楽になった。」これが率直な感想です。
成年後見人制度の申し立てが通り、正式に始まり1ヶ月が経とうとしています。実際に「どんなところを楽に感じているか」また、この制度は「どんな人には向かないと感じたか」などをお話ししたいと思います。
専門用語を交えて説明すると、
わたしは父に『成年後見人制度』の『法定後見』の申し立てをし、『後見』として受理されました。
そして「司法書士」の方が後見人としてつかれています。
「なんのこっちゃ?」と思う方が多いと思います。そこは複雑な話になるので、わかりやすい動画を貼っておきましたのでご参照下さい。
Contents
「楽になった」と感じた具体的なこと
大きく分けると「体」「心」「お金」の3つで楽に感じるようになりました。
「体」
□病院、行政との手続きや対応を全て「後見人」がやってくれる(入院費、固定資産税の支払いなど)
□病院からの連絡が減る
□他にはどんな制度が使えるか「後見人」が調べてくれる
□実家売却の不動産を「後見人」が探してくれる
「心」
□父の退院後の入居探しの不安から解放される
□父の借金の対応からの解放
□父の無理難題からの解放
□実家売却・借金問題などの専門的な判断を「後見人」に相談できる
「お金」
□父の口座のお金など「本人の財産」を全て管理してもらえる
□諸手続きにかかる費用、交通費などがなくなる
□父の年金内から、入院費の支払いや、次の入居施設探しをしてもらえる
□自分が仕事を休んで対応せずに済むので、お給料が減らない
□母の不足する介護費を、父の年金から回してもらえる
□不足する入院・介護費を捻出するため、実家売却に尽力してもらえる
報酬費用は発生しますが、わたしにとっては良いことずくめでした。父が自分で年金を管理する限り、年金を1ヶ月で使い切り、お金がなくなっては要求されます。そして貯金はいっこうに貯まらない。その悪循環から抜け出せました。
「成年後見人制度」が合わない人
後見人は、裁判所が最も適した人を選任します。
誰がなれるかというと「家族」「弁護士」「司法書士」「福祉関係者」です。自分が後見人になりお金を管理したいと思っても、裁判所から認められない場合があります。
そして一度始まったら、一生続くものだと思って下さい。やってみたけど合わないからやめる。そんな制度ではないのです。
わたしが1番「成年後見人制度」が合わないと思うタイプは『親の財産を自由に管理したい人』です。
自分以外の人が後見人に選ばれると、通帳・保険証・生命保険証書などを渡し、財産管理を全て任せることになります。「ちょっと今、お金が足りないから親の口座から、、」みたいなことが一切できなくなります。後見人は『申し立てた人を助ける制度』ではなく『後見人がついた人(わたしの場合は父)の財産を守る』制度なのです。
しかしメリットも多く存在ます。例えば「専門知識を持った人と常に相談できる環境にある」。これは非常に心強いです。また、煩雑な手続きを一手に引き受けてもらえるのは本当に助かりました。
申し立てには費用がかかります。病院への診断書請求や裁判所への手続き費用などです。全ての申し立て手続きを「司法書士」にお願いすることもできます。その場合は、そこそこの手数料を取られます。
専門家に頼む経費をかけられないという方は、自分で必要資料を集めて「社会福祉協議会」に行けば、無料で書き方を教えてくれます。わたしの地区では、家庭裁判所の提出まで、無料でやっていただきました。
成年後見人制度を始める大前提として「精神科を受診し、認知症などと診断され、判断能力が不十分と診断される」必要があります。
わたしの母は多額の借金があり、自分で財産管理はできませんが、認知症ではないため判断能力はそこそこあります。今はわたしが代わりに財産を管理し、判断能力が失われたら成年後見人制度の申し立てをする予定です。そして、借金の対応を「後見人」の方にお任せしようと考えています。
まとめ
成年後見人制度を使うと「体」「心」「お金」の面で楽になった
自分で親の財産を管理したい人には合わない
記事の中でもあげましたが、「法の専門家」といつでも相談できる環境になることはとても心強いです。
周囲に相談してもらえるアドバイス。古い情報だったり思い込みだったりする可能性があります。
ご両親が認知症で判断が怪しくなってきた方は、選択肢のひとつにしてみてください。
成年後見人制度がよくわかる動画
「ゆるっとかいご」さんYouTube
https://youtu.be/4rZWHbJl3p0
「ゆるっとかいご」さんは現職の福祉関係者の情報なので、本当に助けられました。
リンク先
厚生労働省
https://guardianship.mhlw.go.jp/
福岡県社会福祉協議会
https://www.fuku-shakyo.jp/kenmin/kenriyogo/seinenkouken/
※たまたま福岡県の例ですが、各自治体の社会福祉協議会で相談できます。