介護の心構え

介護は予期せぬことの連続です。

「このタイミングでこれが起きるか?」と思えるような事が発生します。

わたしの両親は2ヶ月弱という期間の中で様々なことが連続で発生しました。
①実家の両親に家族で会いにいく
②1週間後に自宅で母が転倒し手術をする
③1週間後に父が鼠蹊ヘルニアで手術する
④入院中に父の認知症が発覚する
⑤入院中の父にガンの疑いが出る。
⑥退院した父が暗証番号を忘れ銀行窓口で怒鳴り散らし口座が凍結される
⑦父がお金が無いことを息子の財産乗っ取りと思い込み自宅で暴れ出す
⑧近所への被害を懸念して父を警察に通報する
⑨父を精神病院に連れていき保護入院となる

当時はこの対応をしながら母の見舞い、入院手続き、施設探しを行いました。その過程で薄々感じていた高額借金の詳細が発覚し、両親に貯金がないことが分かりました。なので借金対応や金策にもかけずり回ることになります。当然その期間は全ての仕事や私生活が止まってしまいました。

しかしこれは、わたしの両親が異常だったのではなく、全ての方に起こりうることだと思っています。中には自身の家族や、配偶者の家族に異変が起き、私以上に複雑な状況を抱えている方もいらっしゃると思います。

今回はそんな突発的なことが起きやすい介護において「1番困ったこと」そして「それをできるだけ緩和するためにしてきたこと」をご紹介します。

介護問題は必ず解決できます。複雑になってしまった難しい問題も、実は1つ1つは解決できる小さな問題だったりします。これを読んだ方は安心して、できることから始めていきましょう。

わたしも介護初期は何から始めて良いか分かりませんでした。しかしまずは「市役所に行って相談する」といった誰でもできることから始めたのです。

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1番困ったことは計画が狂うこと

1番困ったことは「計画していたことが狂ってしまうこと」でした。

例えば
「使えると聞いていた制度が実は使えなかった」
「退院後の施設を探してもらうはずが忘れられていた」
「急いで知りたいことがあるのに市役所で部署間をたらい回しにされた」

そんな経験は一度くらいあるのではないでしょうか?

これらに共通することは「人に対応してもらうこと」です。

これらはなぜ起きてしまうのでしょう?私が思うに、自分にとっては1日も早く何とかしないといけないような重要な事も、他人にとってはそれほど重要な事ではないからだと思います。中には我が事のように一生懸命対応してくださる方もいらっしゃいますが、軽く扱われてしまうこともあります。

また病院や市役所、ケアマネージャーといった方々も常に最新の知識を持っているとは限りません。これらの人たちは、限られた時間の中で多くの人を対応しなくてはいけないので、常にこちらが望む完璧な対応をすることは難しいと思います。

しかし、当事者にとって予定が狂うというのはたまったものではありません。介護に使える時間やお金は有限です。多くの人は介護に全ての時間やお金を割くことはできません。仕事を休んで対応したり、急いで介護の要件を済ませて、早く家や職場に戻らないといけない方がほとんどです。自身の老後積立をしたり、子供を学校に通わせたりしながら介護をしているのです。なので当初の計画が振り出しに戻る。といった出来事はとてもストレスになります。

基本、自分がやる

ではどうしたら良いか?

わたしが採った行動は「基本は自分がやる!」というものでした。理由はその方が精神衛生上良いと思ったからです。自分がやると決めたのならば物事が進んでいないのは自分のせいです。人に振り回されるということが無くなります。

もちろん介護の全てを1人で解決できるわけではありません。心の持ちようとして「基本自分がやる。人が助けてくれたらラッキー」と考えるようにしたのです。だから介護施設の見学も申し込みも全て自分でやりました。たまに「ケアマネさんはやってくれなかったの?」と言われます。しかし「ケアマネさんをあてにしていたら施設が見つからなかった」ということが、自分にとっては強いストレスになるとわかっています。だから信頼はしていましたが自分で探し申し込みをしたのです。

わたしの体験談になりますが、介護の対応を一生懸命していて、物事がうまくいっているときは結構まわりに助けてもらえます。反面、自分もあまり対応できていなく、物事がうまくいっていないときは人が去っていく傾向にありました。

同じようなストレスを抱えている方がいらっしゃったら、
○○さんがやってくれれば、、、
両親が△△してくれたら、、、
ケアマネさんが□□してくれたら、、

こんな気持ちを1度リセットすることをお勧めします。

しかし、全てを抱え込まない

誤解しないようにお伝えしておくと、心構えの話をしています。

介護を本当に全て背負ってしまってはいけません。まずパンクしてしまいます。使える介護制度などはケアマネさんなどの専門家の知恵を借り、実際の介護補助などはヘルパーさんなどの専門職の力を借りるべきです。

人をあてにしすぎてはいけませんが、できるだけ多くの人に困った現状を共有しておきましょう。どこの誰が助け舟を出してくれるかは分からないものです。その際に相談する人は選んだほうが良いと思います。知人や親戚ではなく、きちんとした知識や経験がある専門職や専門部署の方が良いです。

先にも述べましたが介護にかけられる時間とお金は有限です。だからこそ「ここまでしか出来ない」という撤退ラインをあらかじめ設定しておくことは重要です。自身の親のことなので、ついつい色々とやってあげたくなる気持ちはよく分かります。しかしいつの間にか自分が苦しい状況に追い込まれていたなんてことがあります。介護で自分の子供の人生を潰してしまうことは親も望んでいないと思います。

今回ご紹介したのは、わたしの心構えの一例です。ぜひ自分に合った心構えを見つけてみてください。

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