実家売却レポート①

実家売却、空き家問題、維持のリスク

今、実家の売却を進めています。それを「リアルタイムでレポートする」という企画を始めます。

売却を進めるにあたって、「どのような点が良かったか?」「どのような点が悪かったか?」を、包み隠さずお伝えします。

Contents

実家を売ろうと判断した訳

第一回目は、「なぜ実家を売却しようと思ったか」に焦点を当てたいと思います。

大きく分けて4つあります。
①両親が暮らしている様を見て、親の実家暮らしは無理だと思った
②親の収入を支出が上回った
③実家を維持するリスクが高くなった
④親の住む家をなくすことで、福祉サービスを受けやすくしたかった

両親が暮らしている様を見て、親の実家暮らしは無理だと思った

認知症の父、大量のお買い物、金銭管理ができなくなる、実家の売却
父が1食分に買ってくる大量の惣菜

元々は実家で、父(80歳)が左半身に麻痺がある母(72歳)を介護しながら生活していました。いわゆる『老老介護』状態です。この状況は双方にも負担が大きかったようで、年々仲が悪くなっていったように感じます。

1番無理だと感じたのは、「父の判断能力の低下」です。入ってくる年金以上の生活をしており、毎月お金に困っていました。貧困からくる被害妄想で表情は険しく、常に人を睨みつけトラブルが絶えなくなっていました。「他人が自分のお金を騙し取ろうとしている」と感じていたようです。

当時は認知症と診断されていなかったのですが、部屋は散らかり放題。半年前に買ったお刺身がずっと冷蔵庫に保管されています。母に飲ませるはずの薬が山のように戸棚に置かれていました。

支払い関係も滞納が増え、集金に来た人を怒鳴り、追い返すこともありました。この父の様子が、民生員や、ヘルパーさんを寄せ付けない家にしていったのです。しかし本人は「大丈夫!」の一言。「全部、俺が1人でやれてる」と言っていました。ひょっとしたら、わたしに負担をかけたくなかったのかもしれません。

そして母が自宅で転倒。大腿骨を骨折した状態で、父は一週間放置していました。巡回に来た介護職員に発見され、母は汚物まみれで衰弱していたそうです。

親の収入が支出を上回った

その後、父も追うように入院することとなります。そうなると入院費だけでも、月に30万円ほどになってきます。貯金はゼロの両親。年金は2人合わせて、月に22万円程度。入院費だけでも不足しています。

さらに誰も住んでいない家にも、さまざまな費用は発生します。「固定資産税」「火災保険」「NHK受信料」「水道光熱費の基本料」など。これらを合わせると、月に10万円近い赤字となっていました。

実家を維持するリスクが高くなった

先ほどもお話しした通り、維持するだけで支出が発生し、それが経済的リスクとなっていました。それに加え、誰も住んでいない家は老朽化が進みます。さらには「不法投棄」「犯罪者の溜まり場」「自然災害時の近隣住民への被害」など、さまざまなリスクが複雑に絡み合ってきます。

また、未払いの借金がある母。実家が抵当に入ってしまえば競売にかけられます。そうなると自分達の意志で売却することもできなくなります。

親の住む家をなくすことで、福祉サービスを受けやすくしたかった

「住む家がある」ということは「生活が困窮していない」と判断されることがあります。帰る家があることで早期の退院や、施設の退所を促されるケースもあります。また、生活保護申請時に「持ち家がある」ということがマイナス査定になってくる恐れがあります。受けれる公的支援を最大限に活用するためにも、実家は手放したいのです。

親が一生懸命働き建てた家。両親はこの家にかなりの愛着を持っていました。そして、わたしが生まれ育った家でもあります。売却を決意するまでには、かなりの時間を要しました。しかし「もう両親と暮らしていたときと状況が違うこと」「時間が経つほど状況は悪くなる」ことに気づきました。この判断がスムーズにできたのは、誰にも相談せずに物事を進められる「ひとりっ子」だからと思います。この辺りが「ひとりっ子介護」のメリットに感じています。

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