実家売却レポート②
実家が空き家になって半年が経ちました。今でこそ実家売却の意思が固まっているのですが、両親が入院した直後は「本当に売って良いのか?」と悩みました。
なぜなら、そもそも自分の資産ではないからです。しかも両親は実家に強い愛着を持っています。親も売却を望んでいるならまだしも、「早く家に帰りたい」と言っているのに売却するという決意はハードルが高かったです。
しかし、売却はそう簡単には進みません。なぜなら
『売りたくても売れない家』だからです。
Contents
なぜ実家が売れないのか?
家を売るには、その家や土地に価値がないと売れません。その価値を大きく下げる要因が実家にはあるのです。それは「陸の孤島」となっているからです。
どういう事かというと、実家と道路が面していなく、他人の土地を通過しないと敷地に入れないからです。厳密にいうと人が通れる程度の通路はあります。しかし、自家は田舎の完全車社会。車が敷地に入れないことは致命的なのです。
そもそも何故そんなことになっているか?それは複雑な相続に原因がありました。もともと周辺一帯の土地は、祖母の家系の土地でした。そこを一族で譲渡・分配した背景があります。その際に相当細かく区切り、複数人の共有名義にしてしまったのです。今となっては、何故そのようにしたのかはわかりません。しかし、相続争いが起きてしまった今は、ただの足枷となっています。詳細は割愛しますが、相続のときに両親が親族にかなり非協力な態度を取り続けました。それにより、わたしの実家は「陸の孤島」と化してしまったのです。そして売ろうにも売れない家となってしまいました。
売却に向けてしてきたこと
売却の意思が芽生えてから、やってきたことをご紹介します。
①そもそも、どの程度の価値があるのか調べる
市役所へ行き「固定資産評価証明書」を発行してもらいました。これでどの程度の価値があるのかの目安にはなります。
②実際に売却できるか不動産に見てもらう
次に実際に売却が可能か、不動産に見にきてもらいました。ここで出た結論は「ウチでは難しいです」。不動産曰く「買い手を見つけられる自信がない」とのことでした。理由は「敷地に入ってくるまでの通路がなさすぎる」ということでした。
③実家の荷物を捨てまくる
上記の不動産に相談した際にこうも言われました。「家を売るなら空にしてからが基本」。業者に依頼する予算はなかったので、通常のごみ収集にできるだけ出したり、地区のゴミ処理場に持ち込んで処分しました。しかし、40年近くかけてモノが蓄積された生家。ちょっとやそっとではモノが減りません。それでも少しずつ、ひと部屋ずつ片付けていきました。量が量なので持ち込みでもかなりの出費となってしまいました。後日談ですが、他の不動産に聞いたら「ゴミはそのままで良いのに」とのことでした。売却費からゴミの処分にかかった費用を引くことができるからだそうです。
④不動産仲介業者に見てもらう
現状を弁護士さんや司法書士さんに相談していたら、ある「不動産仲介業者」を紹介してもらいました。その方は主に相続系の売買を専門とした方で、いろんなことを教えてもらいました。不動産業者が難しくても、現状のまま「ネット広告」による売買も可能ということを教えてもらいました。しかしその場合は安くなってしまうので、まずは通路を確保する努力をした方が良いとアドバイスされました。わたしとしても個人売買は、売却後のトラブルが不安です。価格が安くなっても良いので「売ったら終了」の形を取りたいと考えています。
⑤通路を確保するために交渉
家を売るためには車が通れるような通路を確保しなくてはいけません。そのためには敷地と道路の間の土地の一部を、譲っていただく必要があります。そこでわたしは、土地の名義人である親族に、土地の一部を売ってもらえるようお願いすることにしました。しかし、相続争いにまで発展した関係。そう簡単に事が運ぶはずがありません。親戚からすれば随分と勝手な話です。相続のときに散々迷惑をかけられた家。その家が「貯金もしておらず、お金がないから家を売るために土地を譲ってくれ」と言ってくるのです。しかも、その親戚にわたしの両親は度々暴言を吐いていました。正直なところ、助ける義理はないと思います。それを知っているわたしとしても、あまり無理な要求もできませんでした。相談だけにとどめ終わっています。
⑥父についた「後見人」に相談
父の後見人は司法書士の方です。土地の売買や名義変更のスペシャリストです。わたしの家の状況を察してくださり、売却できるよう動いてもらうことになりました。その方にも色々アドバイスをいただきました。それは「お金をかけてまでゴミを処分しなくて良い」「現金化できるものをできるだけ売りましょう」「電気、水道、ガスなどを止めましょう」といったものです。これで早急に売れなくても、垂れ流されている無駄なコストを抑えることができました。また微額とはいえ家電などを売ったお金は、交通費や診断書発行手数料などの雑費として役に立ちました。
そして今
具体的にこうやって売る。というところまでは決まっていません。しかし専門家を交えて「家を処分しないと、両親の入院や施設入居の継続は無理だよね」という結論に至っています。それぞれの方が、自身の知り合いの不動産にお願いして、売却の手立てを探ってもらっている状況です。
そして、わたしは明確なゴールを設定しました。
『実家を売却して不足している費用を捻出する』
『実家売却により維持費をなくす』
『両親を継続して入院、施設入居させられる経済環境をつくりだす』
どのような結果になっていくか分かりませんが、ひとつひとつの問題に向き合いながら、最善を尽くしていきたいです。
過去の実家売却レポート
実家売却レポート①
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