介護の『リアルなお金』の話

介護にかかる費用を救ってくれた医療保険、親の介護のリアルなお金の話
ピンチを救ってくれた医療保険

なかなかの高額でしたが「公的制度+民間の医療保険」を使い、なんとか切り抜けられました。

当時は親の体調も心配でしたが、お金の心配も大きかったです。
「介護にはたくさんお金がかかると噂は聞いている」
「それが実際いくらになるかがわからない」
「そもそもお金が足りるかがわからない」
「しかし、何とかしないと親の安否に関わる」

それはまるで、知らない土地で真っ暗な夜道を、ライトもつけずに車で走るような気持ちでした。

今日のお話は個人差があることを念頭においてください。「親にどれくらいの収入があるか?」「どのような医療行為が発生しているか?」「どのような公的制度を利用しているか?」によって個人差が大きいと思います。わたしの『リアルなお金の話』から、何かの目安や心の準備になればと思います。

Contents

実際にいくらかかったか?

親の介護、支出、実際にかかったお金
父の収支表
親の介護、実際にかかった費用
母の収支表

わたしの場合は両親同時に入院したケースです。かかるリアルな金額ですが『月に35万ほど、お金が飛んでいきました』。もちろん毎月35万円を手出しするわけではありません。しかし、不足分は一時的に立て替える必要がありました。もう半年を過ぎるので総額費用は約210万円です。

内訳を説明していきます。
医療保険には収入により様々な区分があります。両親はそれなりの年金収入があったので「一般」という区分でした。一般区分だと入院費は「10〜15万円」程度です。どんな病室に入るか?どんな治療を受けるかによって費用は変わってきますが、保険適用内の医療行為で通常の手術入院であれば何十万〜何百万となることはありません。そこに加えて携帯料金、各種保険料、税金などの『本人が毎月支払っている固定費』が発生します。親と同居していなければ、お見舞いや医師との面談などで『交通費』が発生します。実家が不在となっていても『水道光熱費などの基本使用量』は発生します。

親に十分な貯金がなく医療費に関して不安があれば、病院内のソーシャルワーカーに相談しましょう。そして、親が入院したらすぐに行政窓口へ行き、「限度額適用認定証」を発行してもらうことをおすすめします。

限度額適用認定証申請の流れ、親が入院したらすぐに手続きを

「医療費が高額になりそうなとき」全国健康保険協会 公式HP
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3020/r151/

退院後に介護施設に入る場合は、1番安い『特別養護老人ホーム』ならば費用は入院とそこまで変わりません。介護施設の詳細は長くなるので、今回は割愛します。

理想はこれらの支出が『親の年金内で収まる』ことです。わたしの両親の場合は、毎月10万円ほどの赤字でした。

どのようにして乗り越えたか?

固定支出を徹底的に削減し、公的機関に相談しまくりました。そして加入していた民間の医療保険で急場を凌ぐことができました。

当時の両親は、退院して家に帰ってくる可能性もあったのですが、できる限りの固定支出を止めました。例えば「新聞を止める」「親の携帯プランを見直す」チリも積もればの気持ちで数千円単位の支出をカットしていきました。

いよいよ「両親が自宅で暮らすことは困難だ」という状況になりました。そうなると「固定電話」「電気・水道・ガス」「親の携帯電話」「NHKの受信料」など全ての固定支出をカットしました。それらにより、トータルで『4万〜5万円』の支出を減らすことができました。

そして、時間が許す限り「市役所」「地域包括センター」などをまわり、医療費が安くなる制度はないか?税金が控除される制度はないか?を聞きまくりました。

保険に関しては、幸い両親とも「入院時 日額5,000円保証」のものに加入していました。母の入院期間が約90日。父は現在も入院中ですが60日型の保険に入っていました。おかげで合わせて150日分の保険料を受け取ることができました。これを不足していた諸費用に充てたり、入院時に立て替えていた費用の回収に充てました。両親を保険に加入させていたのはラッキーだったとしか言えません。

そして現在

父は入院中にアルツハイマー型認知症と診断されたので「成年後見人制度」をつけることにしました。これは行政から提案された解決策のひとつです。制度の詳細説明は省きますが、本人に代わり後見人が財産を管理する制度です。この制度により、父が行う分の支払い管理からは解放されました。今は入院費の支払い、税金の支払いなど、父の支払い関係は後見人の方が全てやってくださってます。

それでも両親の年金内からは毎月5万円ほどの赤字が出ています。そこに関しては後見人である司法書士の先生と話し合っています。使えそうな医療・介護費の減額制度を調べてもらったり、父の年金から余りそうな分は母に回してもらったり。完全に解決してはいませんが、当初の漠然とした不安はなくなりました。「今の不足額はいくら」「今後はどうなっていく」といった見通しが立つようになったからです。

「5分でわかる 成年後見人制度」ゆるっとかいごさんYouTube
https://youtu.be/4rZWHbJl3p0

まとめ

今回は長くなりましたのでまとめます。

①普通の入院であれば、入院費は月10万〜15万円(一般区分)(特養入居ならほぼ同額)
②入院費以外にも「本人の支払い関係」「お見舞いなどの交通費」が発生する
③公的制度を利用するために、行政窓口で相談する
④家が空き家になったら固定支出を削減する
⑤民間の医療保険は入っておいた方が、いざというとき助かる

急に介護が始まると、とても乗り越えられない山のように感じます。しかし「今日は市役所に相談に行く」といったような、小さな行動の積み重ねで問題は解決していきます。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です