親の借金の調べ方

親が亡くなる前に「財産把握」をしておくことは重要です。正の財産でも負の財産でも、亡くなった後に発覚すると相続争いに発展しやすいです。
わたしの両親は「負の財産」を所有していたので、今回はこちらの話が中心となります。
親が子に、正しく財産を伝えるケースは少ないように思えます。理由は「本人もよくわかっていない」「子供に詳細を知られたくない」「相続など面倒なことはやりたくない」「子供同士が仲が悪く話せない」などがあると思います。
今回は「どうやって調べるか?」「もし把握していないどどうなるか?」「借金が発覚したらどうするか?」の3つをお伝えします。
Contents
どうやって調べるか?

お金を借りようとすると、銀行やクレジット会社は「信用情報機関」に調査をかけます。この期間は過去の支払い状況や、他社からの借入れ状況を把握しています。その「信用情報機関」に直接問い合わせることができます。「信用情報機関」は3つあります。
①CIC(主にクレジットカード、消費者金融)
②JICC(主にクレジットカード、消費者金融)
③全国銀行個人信用センターKSC(主に銀行)
この3社に問い合わせをすれば、ある程度の金融機関からの借入状況がわかります。しかし、この3社に登録していないような金融機関や、親族・知人からの借金までは把握できません。
手続きのやり方は、本人であれは「インターネット開示」が簡単なのですが、代理の場合は「郵送で開示」がスムーズです。実際の手続きは以下の通りです。
①インターネット上から申込書を記入する(申込書を印刷して手書きでも可能です)
②本人と申込者の身分証明書と手数料を同封し郵送する
③後日、結果の書類が送られてくる
親の借金を把握していないとどうなるか?
最悪の場合は、親の借金を背負うことになります。
わたしの母のケースです。祖父が事業に失敗し「2億円」ほどの借金を抱えたまま亡くなりました。その際、相続放棄をせずにいたのです。理由は正確な負債額を把握しておらず、多くの土地などがあったことから「財産を処分すればプラスが残る」と考えていたようです。結果、祖父の子供たちは1人あたり3000万円ほどの借金を背負うことになりました。裁判をして異議申し立てもしましたが、どうにもなりません。その過程で母の兄弟たちは、多くの親族を巻き込み骨肉の争いを繰り広げ、疎遠になってしまいました。
理想は、祖父が亡くなる前に財産を把握し、相続放棄することでした。相続放棄は親が亡くなった日から3ヶ月がリミットです。母たちが裁判をしたのは、そのもっと後でした。
親の借金が発覚したら
借金を生きているうちに返済しながら、介護や治療が継続できるならそのままで良いと思います。しかし、「借金返済で介護費が払えない」「借金が巨額すぎて手に負えない」と思ったら、以下の専門家に相談しましょう。
□市役所などの「無料法律相談」
□法テラスの無料相談
わたしの母には、未だ3000万円の借金があります。そして本人の年金内では施設利用料すら払えない状況です。上記の専門家に相談したところ「あなたが保証人になっておらず、取り立てにも来ていないなら放っておいて良い。お母様が亡くなったら相続放棄してください。」と言われました。