施設入居で台風も安心

台風4号が接近しています。
両親が実家で暮らしていたときは、こういった自然災害は不安でした。「万が一の際に避難できるのか」「被災した場合の暮らしはどうしていくのか」。実家のある地区は豪雨災害に見舞われやすく、大雨警報が出るたびに頭を悩ませていました。
両親が病院や施設に入って良かったことの1つに、こういった自然災害時に安心できるという事があります。
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高齢者の逃げ遅れ問題
高齢者は「災害弱者」と呼ばれることがあるそうです。「災害弱者」とは、危険が迫っているのに、危険に気づく能力(危険察知能力)、危険情報を得る能力(情報入手能力)、迅速な行動をとる能力(行動能力)に、ハンディキャップをもつ人々のことです。
また、判断能力の低下から危険を顧みない行動をとったりします。わたしの父の例を挙げると、台風に備えて庭木や窓の手入れをしようとしていました。そこで、なぜか高さ5メートル近くある大きな梯子に登り始め、高所作業を始めてしまいました。支えてくれる人もいない中の高所作業。バランスを崩して落下し、腰部の骨にヒビが入ってしまいました。打ちどころが悪ければ亡くなっていたでしょう。
災害時の病院や施設は安心
もともと病院や老人施設は強固な作りをしています。そこで暮らしていれば、老朽化している木造建築の実家暮らしよりも、かなり安心できます。停電時や断水時もいち早く復旧されます。また、避難が必要な事態でも、職員が常駐しているので誘導してくれます。これが実家暮らしならば「災害準備」「避難」「後片付け」の一連の作業を、高齢者自ら行わなければなりません。
認知症が進んでくると、他者との共同作業も困難になっていきます。行政や近所とのコミュニケーションなどに支障が起きると、避難所生活などでトラブルが発生する恐れがあります。例えば、申請すべき災害手続きができない。避難所での共同生活中に、自分で無くしたものを盗られたと思い込む。災害給付金の詐欺に引っかかってしまう等。それが施設暮らしならば、施設がなくなってしまわない限り衣食住などの安全が守られます。
歳をとった両親は「できるだけ住み慣れた家で、一生暮らしたい」と考えることが多いです。しかし『防災』という観点から施設入居を、親と話し合ってみるのも良いと思います。
